谷崎潤一郎の刺青という小説を初めて読んだとき、
「其れはまだ人々が「愚」と云う貴い徳を持って居て、世の中が今のように激しく軋み合わない時分であった」
という冒頭に感激した。
明治には愚を忘れて激しく軋み合う世界なら、令和はいかほどか。我々のようなのんびりした連中にとっては、ますます住みにくくなるばかり。これ以上愚を失われてはたまらない。綺麗な世界に愚を垂らし続けなければならないと思った。
ともかく刺青という本は私に道を示してくれた。地に足つけずにふらふらするようなやつは阿呆である。阿呆は愚かというわけで、つまりとても良いことなのだ。
鳥没堂はこの世に愚かで無駄なものを増やしたいと思っています。と言っても、よくよく世間を見てみれば、インターネットはいよいよ混沌として愚は元気いっぱいに繁栄している。なら私がどうにかしてやろうなどと意気込むのは無意味なのだ。無意味なら良いことである。
ここはそういう場所です。
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